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株&[アンディ] ホーム > カブコラ > 第87回 中国が人民元切り上げを発表! 日本株への影響は?

いまさら聞けない株に関する疑問に答える株コラム「カブコラ」

2010.06.30

中国が人民元切り上げを発表! 日本株への影響は?

先日、中国人民銀行(中央銀行)から発表された、人民元切り上げ。人民元が中国のお金ってことはわかるけれど…そもそも“切り上げ”って何なの? ファイナンシャルプランナーの加藤梨里先生に聞いてみました!

「“切り上げ”とは、通貨の価値を上げること。為替レートを政府が管理している中国では、米国ドルなど他国の通貨との交換レートを変動させ、元高に誘導することを指します」

しかし、なぜ今になって切り上げを?

「人民元はかねてから、急成長している中国の経済力に比べて割安だと指摘されてきました。このため“世界の工場”と呼ばれる中国からの輸出品は競争力が強く、他国の商品が売れにくいという不公平が起きていたのです。特にリーマンショック以降、世界経済とともに各国の貿易赤字が深刻化したため、アメリカを中心に人民元に対する切り上げへの要望が一段と強まったという一因があります」

加藤先生いわく「過剰な貿易黒字の結果、中国国内での急速なインフレやバブルへの懸念があったため、切り上げに踏み切ったとされています」とのこと。では、気になる日本への影響はというと?

「国内より海外からの輸入品の方が安く感じられるため、中国人の購買力が増すと考えられます。となると、まず影響を受けるのは貿易関係で、中でも中国向けに輸出している日本メーカーには有利な状況になると思われます。一方、中国の販売価格が割高になるので、ファーストリテイリング(9983)のように中国に生産拠点を置いて輸出している企業にとっては不利になるかもしれません」

中国が人民元切り上げを発表した際、すでに中国とやりとりがある貿易関連銘柄では変動がみられたとか。貿易関連銘柄以外でも、人民元切り上げの影響で好調になるものはあるのでしょうか?

「中国人にとって外貨が安くなるので、中国から海外旅行者が増えると予想できます。となると…中国の富裕層に人気があり、なおかつ距離も近い日本に訪れる中国人も増えると考えられますね。今年7月から個人観光ビザの発行要件が緩和される予定なので、これも中国人観光客数を押し上げる要因になる可能性に」

え! ということは、今でも多いように感じる中国人観光客がさらに増える可能性大!?

「そのとおり。この動きにあわせて、三越伊勢丹ホールディングス(3099)では免税手続き所や専門コンシェルジュの設置を視野に入れるなど、中国人海外旅行者向けのサービスを強化しているようです。このようなサービスは今後、近年中国人観光客の売上高が急拡大しているビックカメラ(3048)などの家電量販店でも取り入れられるのではないかと考えられますね」

中国人向けサービスがこれほどまでに経営力アップの鍵になっていたとは! ひょっとして、株価上昇の鍵もここにあり?

「といっても過言ではありません。現在、日本の旅行会社は中国人の訪日旅行を取り扱うことができないため、旅行業界が中国当局に規制緩和を求めています。日本政府は“医療ツーリズム”といって、健康診断などの医療サービスを日本で受けるツアーを新たな観光産業として育てようとしています。もしこのようなプランが成功すれば…エイチ・アイ・エス(9603)などの旅行関連銘柄は大きな株価上昇を望めるかもしれません」

ありがとうございました。 人民元切り上げで、私たちはこれまで以上に街中で「中国人旅行者を見かける」ことになりそう。投資面で言えば、中国人旅行者向けの新たなサービスには注目しておきたいところ。また、中国からの輸入が減ると、これまで中国が担ってきた産業を他国が担うことになる可能性も。洋服のタグなどで多くみられた「made in China」が「made in ●●」に変わる日も近いのかもしれません。人民元切り上げが私たちの生活に与える影響は、想像以上に大きなものになりそうです。

(吉住夏樹/プレスラボ)

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